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【アノマリーEA】「仲値の極み」レビュー

時計

 

「仲値の極み」レビュー

今回、EA開発者の わいりぃFXさん (@sugoudetoushika) からレビューの依頼を受けました。

いつもなら自分で使っているEAをレビューしたりするのですが、色々なEAに触れてみたいという思いからこの依頼をお受けすることにしました。

わいりぃFXさん作のEAはいくつか代表作があるなかで今回は「仲値の極み」をレビューしていきたいと思います。

 

仲値の極みってどんなEA?

まずは軽くご紹介。

仲値の極み」は分類するならば”仲値”と名に付くだけあって東京仲値時間帯を狙ったアノマリーEAです。

東京仲値を狙ったトレードは”実需”という点から手法として確立しており、長期に渡ってその優位性が保たれていることで有名です。

少し前の記事ですが、ウチのブログではコチラでも紹介しております。

そんな仲値を狙うEAは今までいくつかのEAが発売されており、自作をされているかたも多数いらっしゃると思います。

その中でわいりぃFXさんは”極み”としてどのように差別化されているのか、その点は注目ですね。

 

まずは軽く基本的なことを。 

  • リリース日:2020/09/17
  • 開発者:わいりぃFXさん (@sugoudetoushika)
  • 対応通貨ペア:USD/JPY
  • 使用時間足:1分足
  • 最大ポジション数:2
  • SL:60pips (ロジックにより20-60)

この辺りは特に何も特別なことは無いようです。

それではバックテストを見ていきたいと思います。

 

MT4によるバックテスト結果

<検証環境>

使用MT4:外為ファイネストMT4

ヒストリカルデータ : デューカスコピー

バックテスト期間 : 2015/10/31~2020/10/31 (直近5年)

ロット数 : 0.1 (一部異なります、後述参照)

Tick Data Suite 使用

変動スプレッド使用(設定変更なし)、スリッページは不使用

 

レポート

まず見ていただきたいのがバックテストのリポート。

仲値の極み

損益グラフの下にいつもは見られない緑色の縦線が並んでいます。

これはトレードした時のロット数が一定でない事を表しており、このEAはロット数が可変である事がわかります。

私はここがこの仲値の極みの最大の特徴だと考えています。

ロット可変というのはどういうことなのか。

詳しく見ていきたいと思います。

 

可変ロット

まず前提としてこのEAは買い2、売り2の合計4ロジックから構成されているEAです。

  • 買い1ロジック:ゴトー日仲値から約6時間前にエントリー
  • 買い2ロジック:毎日、仲値時刻の数十分前にエントリー
  • 売り1ロジック:金曜日の仲値時刻にエントリー
  • 売り2ロジック:毎日仲値時刻にエントリー

と基本的に仲値時刻を軸としているのですが、それぞれで少し内容が異なるようです。

なぜ分ける必要があるのか、それは単純にロジックごとに特徴が異なるからでしょう。

わかりやすく言うと基本的に毎日エントリーするものから「ココはもっと攻めて行ける」というポイントを抜き出しているという感じですね。

そしてもっと「攻めて行ける」ポイントを使ってどうすれば収益力を上げれるのだろうか。。

という事を考えて、可変ロットという仕組みを採用していると思います。

 

可変ロットの詳細

可変ロットということですが、具体的にはEAで設定します。

仲値の極み

まずは基本ロットを決めて、それぞれのロジックは何倍でいきますかー?という形ですね。

上記画像はデフォルト設定なのですが、「売り1の金曜日ゴトー日」という項目がロット2.0倍に設定となっており、”ゴトー日かつ金曜日に仲値時刻で売る”というのが一番の攻め所のようです。

逆にロット0.5倍という所もあるので、ここはロットを低くしてリスクを取るのを控えているようですね。

この何倍という比率はそれぞれ調整可能なので、もう少しだけこうしたい、という細かい修正も使用者によって変えることが出来ます。

そして、ロジック毎でエントリーするかしないかの設定もパラメータ出ししており使用者側で設定できるようです。

この辺りの自由度の高さは嬉しいですよね。

 

自由度の高さといえばこのEAはそもそものロジックの根幹であるエントリー時刻やイグジット時刻まで自分で設定することが出来ます。

デフォルト設定が優れているのでそのまま使うのもOK、そして早めに垂れる日が続くなどのその時々の相場によって設定を変えたい人や、もっとコンパクトトレードを目指す人など沢山の方々の期待にも添えるEAと言って良いでしょう。

 

その他の設定項目としてはSL値、TP値はモチロン設定変更可能、スプレッドフィルターやGMT、夏時間は米国かの選択など基本的な項目は押さえていて、そして複利設定もあります。

そしてもう一つ、指定した日はトレードしないというフィルター設定があるのですが

仲値の極み

仲値を扱うアノマリーEAにおいて祝日フィルターは大変ありがたいですね。

銀行がお休みの日には実需という面からも仲値トレードの優位性は保たれているのかは不透明なところがあるので、これは手動でオンオフするよりも自動でやってくれるEAで設定できると助かります。

そして銀行がお休みで同様に不安定になりがちな年末年始のフィルターもありがたいです。

(2020/11/4 13:53追記)

指定した日はトレードしない「日フィルター」と「祝日フィルター」はそれぞれ別に設定できます。

同様に「年末年始フィルター」も別設定可能です。

混同しやすい文章でスミマセン(;´∀`)

 

そしてここからはバックテストをQuantAnalyzerにかけて分析していきたいと思います。

 

QuantAnalyzerによる分析

最近は直近5年で見るようにしてます。

主な分析

仲値の極み

profit($) 4,809.3 
トレード数  2,486
年間平均トレード数

 497

年間期待収支($) 961.78 
リスクリワードレシオ

 1.17

PF  1.71
DD $ 142.11 
DD % 0.96%

うん、強いですね。

ドローダウンに対して年間期待収支が非常に高いです。

そして平均利益$7.81に対して平均損失$-6.67と、リスクリワードレシオは1.0を超えていて利大損小のトレードをするEAだということが分かります。

勝率との兼ね合いにも寄りますが、人間心理的にこれは行い難いのでEAがやってくれると非常に助かります。

1トレードあたりの最大の損失(Largest Loss)も$-56.11(-45.0pips)と低く、ロット張っていけるEAですね。

 

月別の収支

仲値の極み

これはスゴイですね、ほぼ黒いです。

全60ヶ月中マイナスになった赤字の月は6つだけ。

2017年には全ての月でプラスとなっています。

うーん、スゴイですね(2回目笑)

 

収支グラフ

仲値の極み

停滞期間が直近にあるのが気になりますが、確かこの時期は他の仲値EAもやられまくっていた記憶があります。

その後最高利益は更新しているので、今後の展開にもよりますがあまり問題がないのかもしれませんね。

そして最大DDの低さが目に見えて分かりやすいです。 

 

細かい分析

仲値の極み

そもそも仲値トレードがそういう感じなのですが、可変ロットで調整している面もありで金曜日の収益が伸びています。

そして夏枯れだろうがお構いなく全ての月で安定している様子が見えます。

この辺りはアノマリーEAの特徴でもあり、テクニカル分析をエントリーの根拠としているスキャルピングEAとは違っているポイントでしょう。

 

フォワードとの比較

ここでウチで取ったバックテストとゴゴジャンで公開されているフォワードの比較を行ってみたいと思います。

良いバックテストというのは過去の相場状況に当てはめて作る事ができるので、EAを制作した後の相場に対してどういう推移なのかというフォワードは非常に重要になります。

そして、その期間のバックテストとフォワードがあまりにもかけ離れていると、バックテストの信頼性にも関わってきますのでここも重要なポイントとなります。

通貨単位が違うので、単位をpipsにしてからそれぞれをQAにかけて比較してみると

仲値の極み

原因はちょっと分かりませんが、9/25にバックテストのみが+12.4pipsと大きく利確、フォワードがノーエントリーという一致しないトレードがあったので開いてしまいました。フォワード側に原因があったのかなぁ、、分かりませんっ

それ以外はほぼ同じ、形も同一です。

トレード毎の記録を見てみると、それぞれで0.数pipsずつ獲得pipsがズレはあるようです。

時間はほとんど一致しているので配信レートなどによる環境差によるものですかねぇ。

期間が短くてなんとも言えない部分はありますが、とりあえずとして信頼性としては高いと考えて良いでしょう。

 

 

仲値の極みレビューまとめ

ここまで「仲値の極み」の詳細をレビューしてきました。

いくつもあるアノマリーEAですが、後発ということもあって色々な面から考えられているEAだと思いました。

可変ロットによるロットコントロールは収益を高めるのに効率よいですし、何も考えなくてもデフォルト設定のままでEAが自動でやってくれるのでありがたい機能です。

 

一方で、その可変ロットはバックテストから調整されているものと思われます。

これから先に起こる未来の相場に対してもそれが通用していくのか、これは長い期間をかけて見ていく必要があるのかもしれません。

個人的には実需の面から仲値トレードの優位性はまだ続くものと考えて、デフォルト設定の可変ロット倍率が最高効率を出すかどうかは不明にしても大崩れはしないと思っています。

 

スキャルピングEAと同時にやられちゃう相関性も低いので、アノマリーEAをポートフォリオに加えていない方にはおすすめですね。

既に仲値EAをご使用の方も現在利用中のEAと比較して、乗り換えもしくは併用の選択肢として考えるのもありかもしれません。

今の所順調に推移しているようなので、これからの活躍も期待しています。

 

仲値の極み買い2ロジック+売り2ロジック=4ロジック。一部「可変ロットシステム」搭載!状況によって0.5~2倍でトレード | GogoJungle

買い2ロジック+売り2ロジック=4ロジック。一部「可変ロットシステム」搭載!状況によって0.5~2倍でトレード買い2ロジック+売り2ロジック=4ロジック。一部「可変ロットシステム」搭載!状況によって0.5~2倍でトレード | GogoJungle

 

(追記 2020/11/4 19:07)

スプレッドを少し厳しくしてバックテストしてみました。

TDS変動スプレッドに加算していく方式を取っています。

 海外ブローカーを使用する時などの参考になれば幸いです。